2020年7月にはじめて家に遊びに来たカモシカが、この春もやってきました。
昨日の雨の朝、薄明るくなったころ、ひょっこりカモシカが顔を出しました。このカモシカをはじめて見たのは2年前の7月でした。くくり罠から逃れてきたのでしょうか、左前脚の膝から下がありませんでした。不自由な身体でこの厳しかった冬を越すことができたか心配していましたが、元気な姿を見せてくれたので安心しました。
今回も、トコチン トコチンとビッコを引きながら、ゆっくり歩いています。柴刈したところで若木に膨らんだ新芽や萌え出たばかりの山草を探しているようです。
どう話すかは、どう理解したか、の半分も重要ではない。同じように里山の整備についても、どうやったか、ということよりも、そこに棲まう生き物たちや植物たちにどのような変化が起きつつあるのか、に眼をこらし、声に耳を澄ますことの方がはるかに重要です。三頭のカモシカがここを縄張としています。これまであまり見なかったリスも姿を見せるようになりました。水辺の生きものはどうなったでしょうか?
清水の湧き出るとことに2つのカエルの産卵用のひょうたん池と、谷からの清流の流れを引き込んだビオトープ(水中生物生息池)を作りました。ひょうたん池には、3月初めにトノサマガエルが産卵しました。四月初めにはヒキガエルが、そして5月にはモリアオガエルが産卵をします。ビオトープには、イモリ、ドジョウが棲みはじめました。山から浸み出だ水を集める清流はミネラルが豊富で、除草剤などの汚染もありません。ここは安心して卵を産むことができることも、安心して棲めることも、森の小さな生き物はよく知っているのです。木洩れ日が差し込む落ち葉の積もる地表ではどのような変化が起きたのでしょうか?
森が暗く、谷の下の方が笹に覆われていたとき、ショウジョウバカマやイワカガミなどの山野草は絶滅したと思っていました。森を暗くしている小径木の間伐と大樹の剪定とを行い、笹薮を刈り払いました。それで地表に陽が射すようにしました。すると、これまで絶滅したと思っていた山野草が再び芽吹き、群落を形成しはじめました。ビックリです。眠っていた種が何十年かぶりで目を醒ましたのです。この先をどうするのかを考えました。
里山の再生を子どもたちに手伝ってもらおうと、私たちは考えました。無碍な子どもたちの感性を森づくりに活かしたいからです。そして、自然林の心地よさを五感で感じてほしい。そこで感じたことを教えてほしい。その教えられたことを森づくりに活かしたいと思っています。
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