ボランティアで里山整備をするようになって、同じ場所を何年もかけて手入れしたり、自分が作業に入った場所の経年変化をじっくりと観察できるようになりました。お金が発生する林業では、どうしても作業が終わったらハイ、次の現場へ(後のことは知らん)となってしまうので、この何年もかけて同じ場所をというのは、ボランティアだからこそできる豊かな関わり方と言えるかもしれません。
そんなふうにして森を見ているうちに、自分が作業に入った時に積んでおいた枝葉などの集積が、何年かすると驚くほどかさが減り、運ぶのもやっとだった重い丸太も朽ちて軽くなっていることに気が付きました。森が当たり前のように何百年何千年と、連綿とその営みを続けていくことができるのは、その陰に古いもの、死んでしまったものを分解しては、栄養分として森に返し続けている微生物たちの働きがあるからこそなのだなあと思うようにもなりました。
そのような微生物の素晴らしい働きを生かした「菌ちゃん農法」というものがあると知ったのは昨年のことです。周りでやっている人たちの話を聞いたりしているうちに、少しずつ私もやってみようかなあという気持ちになっていきました。
菌ちゃん農法とは、菌ちゃん先生こと吉田俊道さんの提唱する、菌の働きを活用して、無農薬・無肥料で畑づくりをする方法です。
どういうしくみでそれができるのか、菌ちゃん先生の説明を自分なりにかみ砕いたものをイラストにしてみました♪
というわけで、この菌ちゃん農法のスターターとして働いてくれるのが糸状菌(カビ)なので、畑をどう糸状菌が育ちやすい環境に整えていくかがこの農法の鍵になるのですが、そこで糸状菌のエサとなるのが、里山整備で出た枝葉や丸太、また里山ではそこいらじゅうにある落ち葉や枯れ草なのです。
これまで積んでおいたり、放っておくしかなかった、いわば人間にとって「要らないもの・役に立たないもの」とされてきたものが「お宝」になるわけですね!
自分が取り組んでいる里山整備で出た枝や丸太などを生かして、そこに付いている微生物たちに働いてもらって畑づくりができるなんて。。最高じゃん!
菌ちゃん農法の特徴の一つがこの高い畝なのですが、こんなに高くするのは、水浸しになるとせっかく育ってきた糸状菌が駄目になってしまうからなのだそうです。
同じく畝が水浸しにならないようにマルチを張り、空気穴を開けておきます。
また畝の上に土を置くのは、中の湿度の具合を調整するためとか。
丸太など太い木を入れると、たき火と一緒で、じわじわと時間をかけて分解していくので畝が何年も長持ちするそうで、ずぼらな私としては一度作った畝はできるだけ長く使いたいので、太い木をたくさん入れてみました。
ゴールデンウィーク後ぐらいに材料を集め始め、1本ずつ畝を立て、雨を待ち、黒マルチを張り終えるまで、他の活動もしながらの合間の作業でしたが、かれこれ3週間ぐらいかかったでしょうか。畝を立てるのも初めてで、全部1人で手作業でやったこともあって大変なところもありましたが、なかなか楽しかったです。
この後秋分ぐらいまで寝かせ、中で糸状菌を育ててから秋の野菜を植えていく予定なのですが、
さて、どうなることか。。
菌ちゃんたちとの協働創造はうまくいくでしょうか。
また結果が出た頃、こちらでお知らせできたらと思っています。
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