これまで、時間が空けば、森に入って、下刈りや倒木の片付け、山道の整備などに目がゆき、全体を見る心のゆとりにかけていたように思う。そこで先日のこと、仲間の取り組んでいた地域も見て回ることにした。
【木の樹類】
整備をしているのは500メートル四方ほどだ。針葉樹の大半は地杉でアスナロを見かける程度だが、思い浮かぶままに書きだしてみると広葉樹は50樹類ほどあった。カズラ類を切り除き、笹原を刈り取った跡にマッチ棒ほどの木・ヤブコウジ(別名 十両)は赤い実をつけたミニチュアのような林を作っていた。花の季節は終わったが、シロダモが白いキンモクセイのような花をつけていた。
【山野草】
谷筋の笹原を刈り取ったたら、ゼンマイが生え、茶殻色の落葉をショウジョウバカマの緑のロゼットで飾り、フユイチゴが朱色の甘酸っぱい実を付けるようになった。
尾根筋のナツハゼやクロモジ、リョウブなどの中低木が密立している尾根筋を除伐し、春は地表にも陽が届くようにした。すると、この森から消えたと思っていたイワカガミがコロニー(生物集団)を形成し始めた。春には桃色の金平糖のような花をつける。
【いきもの】
歩いていると けものの臭いがした。ニホンカモシカの臭いだ。すぐ近くの切り株から顔をだして、見つめていた。去年の7月に家に来た三本足の顔なじみだった。リスがすぐ前を横切っていった。近くにあるクヌギのドングリがお目当てのようだ。
【古道】
稜線を縫うように村々をつないでいた古道が伸びる。大きくU字にへこんでいるから、柔らかな土だろうと思っていた。カケヤで杭を打ち込もうとしたのだが、全く入っていかない。覆っている腐葉土をどかしてみた。その下は固い砂岩の岩石だった。道は両脇の地面よりも1.5メートルほど低くなっている。いまはけものしか通らなくなったが、おそらくは千年にわたって、人馬の往来で削りとられたのであろう。
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