いのちの輝く平林の森 ~木の編

今回は[木の編]です。

〇子どもといっしょに五感をよびさます

平林の森が明るくなって、風が通るようになりました。その森を五感で感じる小径も通しました。整備している森は5百メートル四方ほどの広さです。針葉樹は杉と翌桧(アスナロ)しかありませんが、広葉樹は90種類ほどあります。

また、レーチェル・カーソン博士の言葉を紹介します。

子どもと一緒に自然を探検するということは、まわりにあるすべてのものに対する あなた自身の感受性にみがきをかけるということです。それは、しばらくつかっていなかった感覚の回路をひらくこと、つまり、あなたの目、耳、鼻、指先の使いかたをもう一度学び直すことなのです。

私たちの多くは、周りの世界のほとんどを視覚を通して認識しています。しかし、目にはしていながら、ほんとうは見ていないことも多いのです。見すごしてきた美しさに目をひらくひとつの方法は、自分自身に問いかけてみることです。

「もしこれが、いままで一度も見たことがなかったものだとしたら? もし、これを二度とふたたび見ることができないとしたら?」と。

「センス・オブ・ワンダー」 より
森を通る風が葉っぱとソヨゴの実とをクモの糸で紡いだ「森の音符」

【万両と十両】

万両は丈7,80センチほどの低木です。紅い珠の実を付けます。

同じような木姿ですが、もっと小さな極小木があります。名はヤブコウジ、別名を十両といいます。丈はマッチ棒や人差し指ほど。笹薮のときは絶滅したと思っていましたが下刈りを小まめにやっていたら群生地が形成されてきました。

マンリョウ<万両>
ヤブコウジ<またの名は十両>

【マユミ】

晩秋から初冬にかけての花樹の少ないころ、まるで花が咲いたように見えます。

ピンクの萼(がく)が十字に割れて赤い実が見える

【ゴンズイ】

背ビレに猛毒を持つのが魚のゴンズイ、触るのが危険なので漁師は触りません。急な斜面を好んで育つのが木のゴンズイ、切り倒すのも危険だし建材にもならないから山民は伐採するだけです。しかし、真っ赤な萼(がく)が割れて黒い種を下げる実は美しい。

花のようなゴンズイの実

【サルトリイバラ】

このイバラの乾燥させた根茎は薬用に使われ、利尿、解毒、皮膚病に効果があります。若葉はサラダや和え物など食用になり、紅い実は果実酒にも利用されています。トゲトゲの蔓のような茎は、猿も絡めるという意味からこの名がつきました。

サルトリイバラの実

【カマズミ】

6月ころアジサイに似た花をつけます。真っ赤なこの実は、酸っぱいが食べられます。ガマズミは疲労回復や血液をサラサラにするなど生活習慣病に効果があり、美容にも良いといわれています。

カマズミの実

【ソヨゴ】

平林の森の尾根近くに多く自生している、縁起のいい木です。風に戦(そよ)いで葉が鳴る。青緑の葉が北風にサラサラとなる。それが打ち出の小槌を振るように聞こえるそうです。また赤い珠の実を付けている今は、クリスマスツリーにも見えます。平林の守護神・八幡神社の境内にも、植えてあります。

青緑の葉と紅い珠の実とのコントラストが美しい

〇ひとが少し手を貸せば、森は自ずから変わっていく

平林の森は、多様性に富んだ広葉樹の自然林です。人が少し手を貸すだけで、自然はおのずから姿を調えていきます。その移ろいでいく姿を見守りながら、人間にどんな安らぎの空間を提供してくれるかを楽しみにしています。



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