雪国の落葉樹の森は生き物の多様性にあふれています。
その森に春をはじめに告げるのはマンサクです。マンサクは樹高5メートルほどにしかならない低木です。雪の季節は、雪の中にからだを寝かせて過ごします。これも、木の身を守るすべです。木質は柔らかなので、むかしはこれでカンジキをつくりました。春が来ると跳ねるように起き上がり、幸せ色のリボンのような花をつけます。
次に咲きはじめるのはヒキザクラです。この花が咲くとセピア色の山肌のそこだけ パウダースノーふりかけたしように白く染まります。ヒキザクラが咲きはじめたのです。
「ヒキザクラ」は「コブシ」の別名です。この花が咲きだすと、それに誘われるようにヤマザクラが咲きはじめることから、そう呼ばれるようになりました。
コブシに誘われるように咲きだした山桜です。染井吉野のような華やかさはありません。花蜂が見つけてくれればいいように、控えめに花開きます
ミヤマキシミは、陽あたりの良い斜面に咲く背丈30センチにも満たなない超低木です。人手の入らなった里山ではあまり見ることができなくなりました。
雪が消えれば、手入が始まります。落葉樹の森は、静かですが、生き残るための厳しい競争の世界です。数千年にわたって人が介在して、その競争を調整してきました。それは、いまも未来も必要なことです。なにも植物に限ったことではありません。カエルもヘビも鳥やけものたちも人に依存して生きています。
自然はみんなの共有の宝物であり、みんなで守ることがたいせつです。小さな波紋が共鳴しあって大きなうねりになっていくことを願っています。
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