夏に山仕事をしているとどうしてもつきものになってくるのが、ハチ刺されです。
私もつい先日刺されてしまいました。まだ富山に来てから刺されたことがなかったのでちょっぴりショックでした。
去年刈り払いしていたところに草や木が萌芽したものなどが生えてきているので、そこを草刈りするように刈っていた時のことです。刈っている最中、手の甲にチクッとする感じがしたのでふと見ると黒い虫がいて、慌てて追い払ったのですが、その時はてっきりアブだと思っていました。
ところが作業が終わって手袋を外すと何だか赤い。みるみるうちに腫れぼったくなってきて、あれ、これはアブじゃないねということに。恐らく推測するに、地蜂(クロスズメバチ)だったのではないかということになりました。
地蜂というのは地面に巣を作るハチですが、私は地蜂に刺されるのは初めてではありません。以前、夏場に草刈りをしていて、どうやら土の中の巣に草刈り機の刃を突っ込んでしまったようで、気が付いた時には地蜂の群れに追い掛け回されていたということがありました。
ハチは黒い色を狙うといいますが、まさに、彼らは私の黒髪に目をつけたらしくヘルメットの中に入り込み、逃げても逃げてもチクッ、チクッと頭皮のあちこちを刺す攻撃がやみません。
これは一体いつやむのだろう・・・と少し恐ろしくなった私は、草刈り機も放り投げ、山仕事の親方のところに駆け込んだのですが、結局仲間のみんなが集まってきてくれて、毛髪に入り込んだハチを一匹一匹取り除いてもらったのでした。
いやあ、あの時は頭を何十カ所刺されたでしょうか・・・。さすがに作業を中断し病院に連れて行ってもらって点滴を打ってもらいましたが、そのおかげもあってか特に腫れもせず後遺症もなく、翌日から普通に山仕事をしていたような気がします。
今回は何といっても刺されたのは1カ所だけですので、現代医療ではなく自然療法に頼ることにします。ともただのくんが昔漬けた13年もの(!)のビワエキスがあるのでそれを塗った上に、『薬草の自然療法』(東城百合子著)を参考に、家に植えているビワの木から1枚葉をもらってきて生葉のまま貼り付けてみました。翌日腫れは引いていたので、効果があったのかもしれません。
今回のことでハチのことを考えているうちに、そういえば以前民間のハチ博士とも呼ぶべき方のインタビューを仕事で聴いたことがあるのを思い出しました。
この方はハチ全般、分けてもスズメバチに関する大家で、スズメバチを手なずけて(正確にはご本人は「スズメバチを指導して」とおっしゃっていました)巨大な巣を作ったり、話し掛けて手に止まらせてお尻をなでてあげたり(スズメバチはじっとして喜んでなでられているそうです)と、音源を聴きながら「この人すごい!」となったことを覚えています。
今回思い出して、お名前を失念していたのでGoogle先生で調べてみたところ、富永朝和さんという方だということが分かりました。
その方の記事が載っているサイトがあって、面白かったので今回勝手にリンクしちゃいますが(→こちら)、よかったら読んでみてください。普通スズメバチの女王は巣に1匹だけだそうですが、富永さんは女王蜂同士を引き合わせて、何と100匹以上の女王蜂と50万匹の働き蜂とで巨大な巣を共同創造したりしています。
そこには女王蜂同士を引き合わせるくだりなども紹介されているのですが、レフリーみたいに頃合いを見計らって引き離したり、会わせたり・・・一体この人は何者なんだ!すごい!と読んでいてワクワクが止まらなかったです。
私もこの富永さんみたいにハチと交流できるようになりたい、とまでは言いませんが、里山を守るために整備するというならば、そこで生活している生物たちを脅かさない、傷つけない、ということがまずはとても大事だと思うので、彼らを邪魔したり傷つけたりしないよう、山仕事ができるようになれるといいなと思うのでした。
またあらためて謙虚な気持ちで山に入りたいと思います。
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